したい事がしなければならない事に変わってい

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン

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【73】したい事がしなければならない事に変わってい
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「よし、やるぞ!」とやる気いっぱいになってスタートすれば、誰でも目標達成が可能になるかというと、そうはいきません。
気持ちは常に揺れ動いているのが普通で、「あれだけやる気になっていたのに」と言われるように、いつの間にかモチベーションが下がっていることがあります。ライフスキルが安定しているひとでも同じことは起こります。

私たちは、基礎的な知識は一通り持っているものです。バランスや適性はともかくライフスキルも身につけています。
親は親なりに教えたつもりですし、学校でも先生は教えたつもりです。会社は会社で教えたつもりです。
でも知っているはずの行動ができないのは、どうしてでしょうか?
それも難しいことではなく、簡単なことができないのはどうしてでしょうか?
しかも、それをしないことが誰の役にも立たないことだと、こどもでも判るようなことを、こどもを持つ大人ができないのはどうしてでしょうか?

次の設問を、 YES NOで、チェックしてみてください。
1 目標達成に向かうよりリラックスする必要を感じる
2 疲労やストレスでなにもしたくないと思うときがある
3 人にして欲しいことがある場合は、すぐにして欲しいと思う
4 緊張、疲労、不安を感じるとアルコールを飲んだり、なにか食べたくなる
5 イライラするとモノを乱暴に扱う場合が少なくない


YESが多いほど、不安・ストレス耐久性が弱い結果になっています。
ライフスキルのひとつ、ストレス対処スキルが弱いと必要以上にストレスから逃げようとします。

可能性の否定、達成できそうにないという不安、満足感が得られない不安などネガティブな感情が、自分も知らない隠された動機にマイナスのストロークで働きかけても、感情として処理してしまえば、それまでのことです。
それにしても処理を間違うと、寂しい、つらい、面白くない等、場違いな感情を呼び込びます。
適切でない感情によって、感情的な行動を呼び込んでしまうと、心のコンディションはバランスを崩します。
内なる不快感の連鎖が、意志を打ち砕き、なんでもないことさえ億劫になったりして、行動の邪魔をします。

感情の邪魔によって、「したいこと」が「しなければならないこと」に変わってしまうのです。
したいことと、しなければならないことの間には、随分距離があります。
思いがけない距離のズレは感情によって始まり、感情的な行動によって固定してしまいます。

感情的な行動は好ましくないけれど、感情は素晴らしいものです。
昔から人々の心をとらえてきた歌、映画、小説などは、ほとんど感情に訴えるものです。人々を奮い立たせることもあれば、癒してくれることもあります。
もし感情がなければ、喜びも悲しみもなく、殺伐としたものになるでしょう。
それにしても感情には、好ましい感情もあれば、人を痛めつける感情もあります。
人間を蝕み、目的の達成を阻むのも感情である場合が多いのです。

緊張やストレスに耐える力は人によって違います。
耐久力が弱い人ほどネガティブな発言、行動が多くなります。
なぜ、こんな簡単なことができないのかと不思議に思うことも多いでしょうが、感情が揺れ動いて、エネルギー不足を引き起こした結果、バランスをとっているからです。

今日はあることに集中するぞ!と思っても、急に予定を変更してしまうことはありませんか?
自分のやりたいことがあっても、ライフスキルが弱かったり、なかでもストレス対処スキルが弱いと、緊張やストレスがあるとネガティブな感情が働きだしやすくなります。ストレスを過大評価してしまう傾向にあります。
エネルギーバランスが崩れると、無意識に緊張を和らげるようと、意志とは無関係にエネルギー不足を調整します。
ストレスの根源に近い作業の邪魔をすることで緊張を和らげているのです。

ストレスが発生したときに、周りの人からの依頼や誘いがあると、中断するのに自分への言い訳ができて好都合なのです。
それにしても、こういうことを繰り返していると、先のページで触れたように<境界>をぼやけさせます。
その上、気分転換が多いと、集中力は分散しがちです。

時間管理の本や手帳などがたくさん出版されているのは、時間管理が思うようにできない人が多いからです。
時間管理術をいくら学んでも実行できないのは知識不足というより、感情のコントロールができないのが問題なのです。
感情を「しなければならない」という理屈でコントロールしょうとすることに無理があるのです。

感情には感情で対処するのが自然です。
自分に好ましくない感情が起これば、好ましい感情で対処するのが効果的です。
好ましい感情とは、楽しい、うれしい、おもしろいなどです。
悲しいときに、怒っているときに、不安なときに、そんな感情を持たせるのは至難の技です。
それでも、それがどれほど自分に悪影響を与えるのか知っていれば、たとえば、したいことがしなければいけないことに変わってしまう境界の乱れを自分が作ってしまうことの惨めさを知っていたら、感情の流出は防げなかったにしても感情の洪水は防げます。
さらに、夢があれば、好ましくない感情はとるに足らないこととして、小さく出来ます。
・ ・・・「どうせ私なんかに」・・・自分の価値を引き下げ、夢を砕くのは自分。
叶うか叶わないは別にして、夢を見たり、追うことはよくないことではない。
夢の実現に重きをおくのではなく、夢を追うプロセスにこそ自分が存在すると考えるのは悪いことではありません。
心のコンディションをどのように整えるか、人それぞれのやり方があると思いますが、自分のやり方を見つけておくと有効です。

誰でも、その時々でコンディションが変化します。
ライフスキルのバランスがいい一流といわれる方も同じです。
彼らが一流に昇りつめ、維持している裏には、常にベストコンディションを保つように工夫があるからです。
たとえば高額の報酬を受け取るイチロー選手の昼ごはんは毎日カレーライス、遠征先では同じピザ。心と身体のベスト・コンディションを保つための配慮です。
求める結果を出すことを最優先にした暮らしの知恵は、自分を律することから始まっていることが発見できます。
感情を感情で対処するレベルではなく、さらに踏み込んで知識を感情レベルに落とし込んでいます。
自分の「やり遂げたい」気持ちがどこかに行ってしまわないように、注意深く監視して過ごすから、やり遂げるよろこびをつかまえることができると言えます。
目標達成のよろこびの正体は、自分が自分を律し抜いたよろこび、そのものなのです。
感情は人間をもっとも人間らしいものにするものであっても、もっとも人間を苦しめるものでもあります。
その扱いを感情的な行動によって台無しにしないようにしたいものです。
ライフスキルを育む努力を積極的にしたいものです。

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ブログ 愛ピDIRECT「ライフスキルで自分を動かす」は、ひとが健全に生きて行くために世界保健機構が定めた「ライフスキル」を仕事を通して身につける方法についてレポートしています。
ライフスキルは、生きる力であり、技術です。
人は基本的な生きる構えの影響を受けていて、ひとによって不足、アンバランスがあるものです。ブログ 愛ピDIRECT「ライフスキルで自分を動かす」は、「ライフスキル」の不足を補いバランスを調整するために仕事、学業、人生の大事な場面などの機会を通して身につけることをめざしています。


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