ライフスキルを育むセルフ・マネジメントのコツ

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン

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【72】ライフスキルを育むセルフ・マネジメントのコツ
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ライフスキルが身についていても、いなくても、自分で自分をマネジメントできたら楽しいものです。
依存の対極にあるスタイルは第三者から観ても清々しいものです。

セルフ・マネジメントをうまくやるコツは三つ。
 感情的な行動をしない
 優先順位を変えること(目標達成のしやすい順位)
 時間を支配する

優先順位は人生の時期によって変わります。
特にこどもさんがいる場合は、自分だけでなく、「こどもの人生の時期」というのがありますので、より丁寧に考える必要があります。
結婚していると、自分、パートナー、こども、それぞれの人生の時期があります。
だからあきらめるというのではなく、「いま、どうすればなにができるか」いまできることを丁寧に見つけ出して、その上で毎日の優先順位を決めます。

そうすると、人生の時期、時期で別人かと思うくらい自分が変わることもあり得ます。
本質は変わっていなくても他者から見ると、そう見えることもあります。
必要なことに自分を合わすからです。
自分にやりたいこと、やることを合わせていると、いつも自分は同じです。

ただし、自分が大事にしているポリシーに合わないことにまで、自分を合わせる必要はありません。

そこで優先順位と併せて、生活を見直します。
家事や雑事は毎日発生してきます。
優先順位の上位に置いてしまうと、意識の上では「したくないこと」に振り回されることになります。
生きる構えを身につけライフスキルの基礎を築く子育てなどは下位に置くことはできませんが、食事の支度や片づけなどは必ずしも上位になることはありません。
パートナーの理解とともに見なして順位を組み直します。
「家事や雑事は気分転換」と考えるとストレスは大幅に減ります。
目標達成のために時間を最優先、その隙き間隙き間に家事をするようにします。

それには日頃の整理整頓が威力を発揮します。
ムダなことに時間を使わず、集中力を発揮しやすくするためです。
部屋は自分の生き方を象徴しています。
なにが置いてあるかを見ると生活のあり方がよく分かります。
全般に私たちの暮らしは、本来持ち込む必要のないものをたくさん持ち込んでいます。
買ったけれど、数回しか使っていないモノなどはその典型です。
それは単にモノだけでなく、購入するために使った時間、ストレス、費用が自分のやりたいことを奪っています。
だから、やりたいことに集中している人の部屋は質素です。

ライフスキルの安定感を感じる整理整頓のコツは収納場所を決めておくこと。
毎日収納するべきところに戻す、入れる。
ルールを決めて遵守します。
ルールを乱すのは、日々どこからともなく部屋に入って来て、収納するべきところがないです。
すぐに処理できない、しないものがそうです。
それらは、ソレ用の箱なり入れ物に入れるようにします。
すると、部屋の中は煩雑にならず、したいことへ集中しやすくなります。

洗濯やキッチン周りなどは固まりにして、曜日単位で片付るのはどうでしょうか?
たとえば、水曜日は水の日、風呂場や洗濯物など、水に関係したことは水曜日に片付けます。
火曜日はレンジ周りといった具合です。

上手にセルフ・マネジメントをするもうひとつのコツは「感情的な行動をしない」につきます。
特に目立たない感情的な行動が多いので気をつけましょう。
「面倒くさい」「する気分ではない」などがそうです。
これらはできないことではなく、できることを対象にして発する思いです。
これが増えるほど、できることを省くことが増えます。
省くほどやれることができなくなります。

仕事とは作業の固まりです。作業は動作の固まりです。
いい仕事をしょうとしたら、動作を直さない限り、結果は変わりません。
「面倒くさい」「する気分ではない」が多いと、動作を軽視するようになります。
このくらいという感じで、省いて行きます。
このくらいを無視する、軽視すると動作は改善できません。
動作を改善しないと、いくら意識の上で改善したい、していると思っても、変わりようがありません。

すると「やっているけれど、うまくいかない」と頭を抱えるようになりますが、自分でできないようにしているのです。
進む力と止める力が同時に働くのです。
それでも意識は進もうとする。
前に進みたいという気持ちにブレーキをかけるとどうなるか?
もう、大変です。
意志に逆らって行動することを命懸けというそうです。

することやできることから、感情を切り離すと、感情によるブレーキがかからなくなりますので、ただ「やる」あるいは「やった」だけが残ります。
とてもすっきりします。
疲労感が全然違います。
「頑張った」という気持ちも減りますが、「疲れた」も減ります。
淡々とした感じになります。
いままで混乱した暮らしをしていると、淡々は寂しく感じます。
波風が立っていないから物足りなく感じます。

それにしても・・・

想像してみてください。
空を見上げれば戦闘機から爆弾降下、戦火のなかで生活を。
反対に空を見上げれば明るい太陽と青い空、のどかな山村での生活を。
感情的な態度を取り除くと、それ位違います。

ところで、それは簡単なことか、理想論ではないのかというと、
さあ、どうでしょう?としか言えません。
大変でないはずがないからです。
感情的な暮らしが身についたひとの場合、安定した気分になるまで時間がかかります。
落ち着いた暮らしになれていないひとは、安定した暮らしに不慣れなために、居心地が悪いと感じて耐えられなく、破壊したくなります。
慣れ親しんだ混乱の方が落ち着くのです。
ライフスキル不足のために混乱は日常化しているアルコール依存症の家族は大変です。
いつ、どうなるか判らない緊張と混乱と絶望感の繰り返しは、静けさとは対極です。
安定は居心地の悪さでしかなく、破壊を求めるようになります。
簡単ではありませんが、居心地が悪くても、積極的に慣れるようにしましょう。

実はそれって、たばこはカラダに悪いと分かっているのだから、やめたほうがいいと言うのと同じなのです。
それでもやめられないひともいますが、それは理由があってやめられない。
でも、やめたいと思っているなら、やめていいのです。
大事なのは、自分の気持ちに耳を傾けること。

やりたいことにチャレンジするのは、
やりたいことを成就するのも目標だけど、
感情と切り離す学習をするのも目標だと考えることができます。

すると、つらいときには、突き上げる感情を気にしないようにしたいと思える。
それはごまかしではない。
気にしないようにチャレンジするわけですから、
気になっているのに、気にしないふりをするわけではない。
抑圧ではありません。

感情はあるがままでいい。
だからどんな感情も認める。
感情的な行動を慎むために、あるがままを認めます。
感情を認めた上で、感情を切り離すトレーニングです。
自分がいまトレーニングをしていると認識できたら、ポジティブになってチャレンジしたくなる。

それでも「できない」と思う自分がいる、あるいは、できていても、できなくなるときもある。
それでもいいわけです。
ライフスキルを育むためにもチャレンジしているわけですから。

何度できないと思ったっていい。
思う数だけ、よし、やるぞと思えばいいだけのこと。
それ以上は感情的にならない。

頑張っているときに、頑張っている意識があがってこないのが没頭の状態。
我を忘れて夢を追いかけている。
感情を切り離した状態とは、そういうことです。
そこへ持って行くためには、自分にできることは全部する。
感情を切り離した上で、できないことはしなくていいけど、
必要なことで、できるようになるなら、できるようになるのがいい。

感情によって、「じぶん力」の出し惜しみをしない。
自分の選択です。セルフ・マネジメントの重要なポイントです。
ライフスキルを育む意識を忘れずにいると感情のコントロールに向かう意志も強化されます。
さらに、セルフ・マネジメントには重要なことがあります。
マネジメントの語源は、「じぶん力はマネジメントとコントロール」で説明しましたが、荒馬に乗って目的地に辿り着くには、馬の健康管理なしにはできません。
マネジメントにはケアも含まれているのです。

「じぶん力」を出し惜しみしないようにするには、自分に心地よい休息も必要です。
個人差がありますが、万人におすすめは次の2点です。

● 身体を動かす
● 自然とふれあう

短くても毎日が望ましい。
特に身体は、間隔をあけて、まとめて運動は好ましくありません。
毎日続けていたらできることも、1週間空白を作ると後退してしまいます。
出来る限り歩くことを取り入れましょう。
その他、個人によってさまざまな休息方法があります。
注意したいのは、マスメディアが演出する消費や娯楽に誘導されないことです。
情報として扱う分はいいのですが、他者の好みや「人気」「ブーム」を自分の好みと同一視しないことです。
本当な自分の好みでないものを、自分の価値観以外の理由で取り入れるとストレスになってしまうからです。
その意味で、仕事が趣味であってもいいわけです。
なにかに熱中していたら、時間を集中して使うわけですから、オタク」になるのは必然です。
他者の価値観ではかっていると自分のしたいことができなくなってしまい、ストレスになります。さらにライフスキルの混乱につながります。
主体性をもった休息を取り込んで、自分に適した上手なセルフ・マネジメントを磨きたいものです。

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