習慣リストで焦点をあわせる

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン

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【52】習慣リストで焦点をあわせる
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後述「怖くなって集中をやめていないか」で、パレートの法則を使って累積努力と累積時間の比較から、成果と達成感のギャップをグラフでご説明しますが、焦点が目標から移動して、自分の努力に注目しすぎると、ますます集中力も意欲も失うことになるので注意しましょう。
順調なスタートを切っても、いつしか焦点がだんだんぼけて、じりじりモチベーションも低下して腰砕けの結果になることは、ちょっとしたきっかけで起こります。

次の設問にイエス、ノーでチェックしてみてください。

1 ひとつのことに集中できていますか? YES NO
2 いつも自分にとってなにが重要か意識するようにしていますか? YES NO
3 目標を達成したい気持ちが強く安定していますか? YES NO
4 目標の達成に焦点をあてた行動をとるように努めていますか? YES NO
5 目標達成のための計画を作って実行していますか? YES NO
6 目標達成をするために有利なように優先順位をつけていますか? YES NO
7 ときどき目標のことを忘れてしまうことはありますか? YES NO
8 しなくてはならないほかのことを頻繁に考えてしまいますか? YES NO
9 ひとつのことをしようとしても気が散ってしまいますか? YES NO
10 目標達成に意欲のあるときも低いときもありますか? YES NO

いかがでしたか?


1〜6までは、Yesが正しく、目的を達成するためにふさわしい態度です。
7〜10は、Noがふさわしく適切でない態度です。

目標達成は時間との関係性がとっても大きく、投入時間が多くて、時間当たりの濃度が濃いほど成果はあがります。
焦点を絞った方が、集中力も働き、効率的でモチベーションも上がります。
それにしても、急ぎの仕事や予期せぬ出来事などが頻繁に起こってくると、注意力が分散してしまいモチベーションの維持が困難になります。
こんな時、イライラしながらでも「平常心」に持ち直すことができればいいのですが、注意を他に向けてしまうことも起こります。

注意力が弱まると目的に関係のないことをあれこれと考えてしまいます。
やがて目的からそれた行動をはじめます。
すると目標達成にあてる時間が少なくなり、ますます成果があがらなくなり、それに比例してモチベーションも下がります。

一方、意識を目標に合わせていると、目標達成は飛躍的に容易になります。
目標に焦点を定めて、焦点に自分をあて続けるには、注意力を継続する粘りが必要です。
計画を作っても、焦点がズレると、散漫で方向性もはっきりしなくなるので、計画通りに実行しなければ意味がありません。
優先順位を遵守する冷静な行動を習慣化することが近道です。

ところが、優先順位に関係なく行動してしまうひとがいます。
手帳にはきちんと予定は記入してあるけれど、全然違ったことをしている。
予定を守ったのは他者と約束したことばかりで、自分との約束はほとんど守られない。
関心が意識の上での「したいこと」「したほうがいいこと」「しなければならないこと」からそれていて、他者からの依頼と、自分のためにならないことに焦点を合わせている。
銀行振込や、納税など暮らしに欠かせないことは仕方ないにしても、自分のためにならないことに時間と労力を使うのが問題です。


その主な原因は、
● 目標を達成するメリットが意識されていない
● それ以上の関心事が他にある
● 自分でも意識していない隠された動機が働いてしまう
などがあります。

問題は個人固有のブラックボックスである「隠された動機」です。

■ 隠された動機

「隠された動機」は、これまでの体験において感情的に整理されていない未処理の問題です。
目的を達成するために必要なことをしていても、逸脱した行動をとってしまう場合、自分でも気づかない隠された動機に気をつけましょう。
隠された動機は普段は無意識です。
突然に場違いな仮想がやってきて、試験勉強をしていると、突然映画に行きたくなるとか、全然状況にふさわしくないマイナスの欲求が高まったりします。
この場合、隠された動機とは、逃げたい気持ちと子ども時代の心地よい感覚(例えば出来ないと困った表情をしていると誰かが助けてくれた、あるいは叱られてでしなくてよくなったなど)がオーバーラップして状況には意味のない行動に向かわせているのです。
この場面で必要な勇気は、逃げたい気持ちを我慢する力です。
逃げたい気持ちそのものは自然な感情なので悪くないので、正直に受けとめて、その上で感情的な行動を許さないことです。
「逃げ出したいのだね、分かるけど、我慢して立ち向かおう」と自分を励ますようにします。相手が友人、兄弟、こども、部下でも同じです。
我慢がポジティブな性質なものだと分かると思います、
そして最後には、我慢によって生み出した変化に共感を示したくなることでしょう、
映画に行かなかった楽しみを逃げなかったなかから発見すれば、逃げない楽しみを期待するように変化していきます。

とってもシンプルなことなのですが、目標達成は時間との関係性がとっても大きく、投入時間が多くて、時間当たりの濃度が濃いほど成果はあがります。

● 最初のとりかかりにかかる時間が短い
● やり出したら集中するまでの時間が早い
● 集中している時間が長い

■最初のとりかかりにかかる時間を短くする

最初のとりかかりに、すぐにエンジンがかかるひとと、時間がかかるひとがいます。
すぐにエンジンがかかるひとは、数は少ないのですが、このひとたちは、やり出したら集中するまでの時間が早く、集中している時間も長く、余計なことを考えないのが特長です。

余計なこととは、ふたつあります。
●考えることかそうでないのかの取捨選択能力が高い。
●「隠された動機」がない、少ない、あっても取捨選択能力が優れている。

「隠された動機」は、感情的に未処理の自分でも判らないことなので、考えなくてもいいことですが潜在意識レベルで気になっていて、負の動機づけをしてしまいます。
エンジンがかかるまでに時間を必要とするひとは「隠された動機」を持っていると考えていいでしょう。
「隠された動機」の問題は、勝手にブレーキをかけ、執拗に時間を奪い濃度を薄める点です。
実は大半のひとがそうなので、人間とはそういうものなのだと割り切ればいいことで、それ以上問題にする必要のないものです。
本人も意識していないので、問題化して時間をあてることは賢明とはいえません。
「なぜ?」と聴くより「どうしたらいい?」と聴く方が対策としては効果的です。
あるいは、「どうしたらいい?」と聴くまでもなく、スタートをかけてしまい心と身体にリズムを作ってしまうのも方法です。

「自分はエンジンがかかるのに時間がかかる」と認識することで、その対策を自分にあった形で実行しているのが「できるひと」の共通パターンです。
脳が眠っていようが、起きていようが、コンディション無視で、もう無条件に「エイヤー!」で一気に取りかかる習慣を繰り返しで身につけたひと、朝4時起床で、スタート時間を早めたひと、人のざわめきと同調しながらコーヒーショップはしごでやりきってしまうひとなど形はさまざまです。
一方、「どうしたらいい?」と対策を講じることをしないで、誤って自分は怠け者だと烙印を押してしまったひともいます。
自分を責めるより対策を講じて実行することです。
一番スマート(賢明)な対策方法は、考えても仕方のないことは考えずに、無条件に「エイヤー!」で一気に取りかかる方法です。


■集中するまでの時間を短縮する

集中するまでの時間は、最初のとりかかりにかかる時間に比例しています。
その意味からも、考えても仕方のないことは考えずに、無条件に「エイヤー!」で一気に取りかかる方法が一番適しているといえます。
9時始まりとして昼からエンジンがかかるリズムを、朝4時起床で、スタート時間を早めても、ロス時間は大きく変わらないという点で苦肉の策といえます。

■集中している時間が長い

焦点に狂いを生じさせないのがポイントです。
1時間のロスは1時間のロスで終わらないものです。
動いていたエンジンが止まってしまうと、エンジンの巻き直しのために、本来なら不必要である時間の負担を強いることになります。
つまり、1時間ドラマを観てしまった場合、1時間のロスと思いがちですが、再スタートに20分、もとにテンションをあがるまで、さらに30分かかった。結局1時間50分のロスが生じます。

最大の難敵は、他からいろんなことが入ってくることです。
いろいろ用件が入ってくると責任感が強いほど、他者のニーズに応えようとして依頼された案件を、緊急度、重要度に関係なく優先順位の上位に持って来てしまいます。
他者への配慮は尊いのですが、結果的にどれもが「間に合わせ」になり中途半端になることも少なくありません。
これでは他者のニーズに応えようとしたことが仇になり、結局不満すら買うことも少なくありません。踏んだり蹴ったりです。
かといって放置することもできないので、緊急度で処理して、落ち着くと一刻も早く平常の優先順位に戻すようにするのが効果的です。
それには日頃から自分の優先順位を決めておくようにします。

時間的なロスを防ぐには対策がいくつかあります。
● 生活をパッケージ化する(習慣化して同じ時間に同じテーマに取り組む)
● 考えても仕方のないことは考えない

■生活をパッケージ化する

生活をパッケージ化するとは、毎日同じ時簡に同じことをする方法です。
時間的なロスを防ぐ工夫は、時間の使い方を考えるより重要かも知れません。
つまり結果から逆算するのです。

投入時間が多くて、時間当たりの濃度が濃いほど成果はあがります。
焦点を絞った方が集中力も働き効率的でモチベーションも上がります。
これを実現するには、余計なことはしないことです。
つまり24時間全部を目標達成に使えばいいわけです。こういうとサラリーマンの方空反発が起こりそうですが、いまの生活と大同小異。
実際には睡眠、食事など時間を使うことがあれこれ生じます。無為に過ごしている時間をなくすだけなので、むしろ生活全般に勢いがでてきます。
課題となるのは、24時間から無為な時間の支出をどう防ぐか。という問題です。
つまり「時間的なロスをどう防ぐか」からスタートした1日は、「すること」で1日を埋めていくのと反対の発想になります。
もうムダは許しませんという態度と、1日にどれだけ使うかという積み上げ式の発想は、似ているようで全く違います。

1分、3分、5分、10分、ひとによって単位が違う細切れ時間の使い方も、短いほど緊張の連続で、緊張度が体内時計になり、リズムを身につけたひとと、例えば1時間1仕事のひととは勢いもロスも違うのは明白です。
時間感覚とは、頭で考えることではなく、カラダで感じることで、習慣が自分のリズムになったものです。
習慣は繰り返しの継続なので、時間がかかりますが、繰り返せば力がつきます。
障害となるのは「考えること」で、「考える」というと好ましい印象を持ちますが、その実態は感情に溺れていることが少なくありません。
感情については後述しますが、これが解決できれば、禁煙や飲酒などの問題もすべて片づきます。

目標達成に効果的で自分でも爽快なリズムを身体に作り込むには、身体への落とし込み方が課題です。
手堅く実現するには、自分の生活をパッケージ化してしまう「24時間全部をしたいことに使いたい、それには時間的なロスをどう防ぐか」に徹した形です。


習慣リストで自分の生活をパッケージ化
● 優先順位を決める
● 自分がやりたいことへの時間を可能な限り多く確保する
● 余計なことをひとつでも多く取り除いてシンプルにする
● 毎日同じリズムを保つようにする
● 同じ時間に同じことをする
● 習慣リストを作って、スケジュール帳に書き込む
● スケジュール帳を使った生活をする

毎日同じことをして、そんな退屈な生活、まっぴらごめんと言えばそれまでです。
そんな疲れることしていられないと思うのは、したいことか、しなければいけないことかの違いからの問題です。
したいことか、しなければいけないことかの問題は実に厄介な問題ですが、自分がどうなりたいのかの立場で考えると案外簡単に答えが出てきます。
ただ刺激があるだけでは、本当に刺激的な暮らしは望めません。
先にあげたゴールデンルールのなかに答えを見つけてください。

疲れたら休憩したらいいだけのことです。つまり労働(目的に向かう活動)と休息の境界は固定しなくてもいいのです。ただし動かし過ぎたら境界にはなりません。

柳の木は曲がることで身を守っているように、境界は固定しなくていい意味です。
引っこ抜いたら、柳も死にます。動かし過ぎは同じことです。
持ち時間を精一杯有効に使う意味でも、なにが退屈でなにが刺激的か、整理してみることは重要です。
その際、ひとの幸福が何であるか、◆「いまこの瞬間に集中する」を併せて考えてください。

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ブログ 愛ピDIRECT「ライフスキルで自分を動かす」は、ひとが健全に生きて行くために世界保健機構が定めた「ライフスキル」を仕事を通して身につける方法についてレポートしています。
ライフスキルは、生きる力であり、技術です。
人は基本的な生きる構えの影響を受けていて、ひとによって不足、アンバランスがあるものです。ブログ 愛ピDIRECT「ライフスキルで自分を動かす」は、「ライフスキル」の不足を補いバランスを調整するために仕事、学業、人生の大事な場面などの機会を通して身につけることをめざしています



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