自律性を引き出すコミュニケーション

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン
ブログ 愛ピDIRECT「ライフスキルで自分を動かす」は、ひとが健全に生きて行くために世界保健機構が定めた「ライフスキル」を仕事を通して身につける方法についてレポートしています。
ライフスキルは、生きる力であり、技術です。
人は基本的な生きる構えの影響を受けていて、ひとによって不足、アンバランスがあるものです。ブログ 愛ピDIRECT「ライフスキルで自分を動かす」は、「ライフスキル」の不足を補いバランスを調整するために仕事、学業、人生の大事な場面などの機会を通して身につけることをめざしています
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【49】自律性を引き出すコミュニケーション
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自律した行動ができる。
自分自身が、自分の部下が、自分の家族が・・・自律は自立の基礎であり、幸福に欠かせないスキルです。

自律性を引き出す条件としてあげられるものになにがあるのか

1. 自律する心を育むために、日本の学校のように知識詰め込み型でなく「あなたなら、どう取り組むか」「みんなはどう取り組むか」という点を重視して、自分で考え判断、決定するスキル、自立心を大切にしていること
2. 励ましの心を中心にして、お互いに教える人であると同時に教えてもらう人であるという互助の精神を育て、お互いを高めることを奨励し大切にしていること
3. 自他肯定の気持ちを育むことができるように、どんなことでも傾聴するアティテュードを持ち「信頼関係」を強めていく仕組みが組織にあること

日常的に自然にライフスキルを育む環境を用意しますが、お互いに励ましの心を作業に反映するには、基礎知識が必要になります。
そこで基礎知識を得て、自律に至る方法にどんなものがあるのか考えてみましょう。

自律に至るプロセスには、次の3つがあります。
1) 自律的なひとをモデルにして学び、模擬を通して自律に至る
2) 上司やコーチ的な立場のひとの他律の干渉に反抗、否定によって自律に至る
3) 他律の教育、干渉によって獲得した知識の断片が蓄積されて、気づきが起こり自律的な判断に至る

どのプロセスにも、次のような懸念される問題が残ります。
1)は一見スムーズに見えるが実は自律できるようになったわけでなく、単に作法として修得したに過ぎない場合が懸念されます。
2)は、一般に子どもが親から離れて自分を確立するプロセスと同じです。否定から逆の行動をとるのであれば、この場合も1)と同じく単なる模擬に過ぎず、自由に自分で判断、決定しているわけでなく、自律は存在しないことが懸念されます。
どの場合も環境が、与える影響が非常に大きいのは言うまでもありません。
もっとも完全に自由に自分で判断、決定しているように思える3)の場合にも、実際には完全に自由に自分で判断、決定しているわけでなく、判断、決定をする際に、まだ自分のものになっていない部分の知識が外部に残っていて、つまり他者の意識も併せて活用するからです。



指示は指図と違います。
正しい指示とは正しいコミュケーションであって、正しい指示には、なにをすべきか、なぜそうするのかが含まれます。
これらがなく、どうすべきかだけ、あるいはそれもない環境の知識を使っても、自律はできません。模擬の場合は、さらにひどいものになります。


部下を持つ者、あるいは自立した部下を育てる者には、部下に正しい行動させる必要があります。
自分が自分に指示を出す自分の場合も同じで、自分に正しい行動させる必要があります。
それには正しい指示命令が必要になり、正しい指示命令をするには、思いつきではなく準備が必要です。
正しい行動とはなにか、それは、こうすべきではなく、なにをすべきか、なぜそうするのか、理念(ゴール)を自分の良心と良識を使って実現することです。

指示命令を出す者の心と意識が、理念に見合うものであること。
この点がとても重要なのです。
そして基礎を身につけさせるために、出す指示命令は、自分に服従することを目的とするのではなく、やがては自律さらに自立に向かうための他律であって、気づきによって
自律に至ることを目的としていないといけません。

正しい指示をするには、まず誰に、どんな仕事(作業)を、どんな順序で、いつ指示命令を出すかを予め決める必要があります。
その際、モチベーションをどのようにして高めるのかも考慮しておきます。

決めていても、状況は刻々と変化するのが普通ですので、指示するときに計画そのものに変更が起こることもあります。予定していた指示命令にも変更が生じます。
すると当然ですがモチベーションの高め方にも変更が生じるのはいうまでもありません。
それがマネジャーの普通であり、もしそれを面倒だと思うなら部下を持つ資格はありません。自分を律するには、やはり同じことが必要です。
つまり自分を律することが出来ない者はマネジャーになってはいけないことを意味します。

面倒がらずに言葉にするしないにかかわらず部下の目には不信に映りますし、それに無関心な部下ならモチベーションの低い人であるといえますので、マネジャー自身の不満のもとにもなり、負の連鎖と循環が繰り返し起こるようになります。
人を使って目標を達成するのが仕事であるマネジャーにとって、指示命令こそ仕事の本分です。
指示命令のまずさから目標が達成できない、人が育たないのはマネジャーとしては失格です。


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