コーチングのポイント

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン
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【20】コーチングのポイント

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コーチングの際立った特長は、外国人の言葉から容易に理解できます。
日本の授業を観察して、「先生が黒板に書く答えはひとつ、それを生徒が記憶する」こんな教育をしていたら創造性は身につかないと、特に欧米人は言います。

コーチングはその対極にあるスキルです。
答えは必ずしも一つではなく、唯一の答えを求めるわけでもない。
しかもその答えを持っているのはコーチではなく相手やチームであるという点で、知識付与型の一般的な教育スタイルとは大きく異なります。
主体性は、教える側にあるわけでなく、相手にあります。
その土台には自他肯定の精神があります。

そこでコーチ側に求められるもっとも大きなスキルは励ます力です。
励ましは結果や成果への関心ではできません。
プロセスへの注目なしには不可能です。

プロセスへの注目を絶やさないことで、相手の自習意欲を高めます。
個人個人の目標達成の支援を行い、チームワーク力を高めるようにします。
それにはコーチングの手順であるGROWを使います。
GROWとは、グローイング・アップのグローです。
「成長する、育つ、大きくなる」という意味で、GROWという言葉の一つ一つの頭文字ですが、そのままコーチングの手順になっています。


・G(Goal) 目標の明確化
どうなればいいのか、どうすればいいのか、どうしたいのか。
達成する目標を具体的にして、「達成したい」意思とそれを実現する働き方をはっきりと自覚する。
目標設定には、次の3通りがあり、それぞれ主旨が違います。

ジャイアント・リープ 
潜在的な能力を認めているがゆえに現状とかけ離れた目標を設定する。
松下幸之助はじめ数多くの優秀な経営者が採用した事例が多い。

■ ストレッチ・ターゲット
マンネリを防止、成長を鈍化させないために実力がアップしてきた段階で多く用いる。

■ベビーステップ
その名の通り、確実に達成できそうな低めの目標設定。
新入社員や、転勤してまだ経験が浅い段階で使う。



・R(Reality) 現状把握
部下の状況について本人の意識と感情を質問によって確認する。
目標といまの状態となにがどう違うのか、なにをどうすればいいのか。
目標と現状のギャップを認識して、間題と原因を顕在化させる。'



・R(Resource) 資源の発見
目標達成のために使えるあらゆる経営資源(ひと、もの、金、情報、時間)を明確にして、どのような使い方ができるか、働き方レベルに落とし込んだ状態を確認する。



・O (Options) 選択肢の創造
結果は行動のあり方によって自分が作ったものです。
結果を変えるには行動を変えるしかありません。
行動のあらゆる可能性を追求し、働き方を認識、目標達成に最適な方法を選択する。



・W (WiII) 目標達成の意思確認
やる気を確認し、具体的な行動計画を策定。さらに進捗管理する。
ただし、言葉の上でのやる気の確認では意味がありません。
具体的に行動に落とし込みます。
いつから、いつまでに、どこから、どんなふうに、どこまでやるかを確認する。



GROW(GRROW)の5つをつなぐと、行動パターンがはっきりします。


� 目標を明確にして
� 現状を把握、認識
� どのように達成に取り組むか
� 結果を検証して反省
� 新たな計画を立案して取り組む。
という流れは、おなじみのマネジメントサイクルP→D→C→Aと変わりません。



違うのは、1950年代ハーバード大学のマイルス・メイス助教授が本に記した、「マネジメントの中心は人間であり、人間中心のマネジメントの中で、コーチングは重要なスキルである」が強調されている点です。

コーチングで気をつけたいのは、上司が不勉強のため、情報不足から部下に聞くということです。
それをもって「コーチングが重要です」と語るひとが少なくありませんが、これではコーチングにもマネジメントになりません。
また質問することが大事だからといって、「どうですか?」と近況報告を聞くだけでは、やはりコーチングにもマネジメントになりません。

コーチングには、部下をいつまでにどうするのかという明確な目標があります。
どんな手法であっても、期限のない、目標のない人材育成はあり得ません。
コーチングが「大切な人を目的地まで送り届ける」という意味であるように、
重要なことは成功させるという考えに立つことです。
それを抜きにして、技法だけに注目していると、仏作って魂入れずになります。
たとえば「ブートキャンプ」は有無を言わせずコマンディングに徹している面があります。
何ためにと考えると、ブートキャンプのコマンディングも、コーチングも同じ理念だと理解できるはずです。
どのようにするのが最適なのかは、ひと、状況によって変わってきます。


コーチングは自他肯定の構えを基本にしていますが、本人が自他否定の構えであった場合、主体性を求めても反応しない場合が多いものです。
こんな場合、コマンディングによって自信をつけさせることも欠かせません。
指示命令だからといって、厳しい口調で「おまえなんかダメだ」の感情で
やったらどうなるでしょうか?
やさしい口調で「おまえなんかダメだ」の感情でやっても同じです。

そこで、大事なのはリーダー、マネジャーなど上司のスキルであることが分かります。



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