取り組むメリットの発見

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン
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【7】取り組むメリットの発見

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モチベーションを高めるには、取り組むメリットが分らないと高まらないと先に説明しました。
では、どんなメリットがあるのでしょうか?


働く上でのメリットには、まずお金があります。
これは安全の欲求を満たす上で欠かせません。
しかし、人はこれだけでは満足はできません。


いまの時代は価値観を失った時代とも言われます。
高度成長期を超えて、価値観の多様化が進み続けた結果、価値観が揺れ動き、家庭や学校などのモラル崩壊が起こっています。

「食えたらいい」を基準にした生き方もあります。
しかし、人間は自己愛や家族愛だけで幸福にはなれません。
人間には共同体との間で承認や愛が必要なのです。
だからこそひとを人間と言いますし、それゆえ傷つきますし、失敗を恐れます。


さらにひとには自己実現の欲求があります。
ところが自己実現は簡単ではありません。
なぜ難しいかというと自己肯定感が不足しているからです。
不足しているからこそ自己実現の欲求も高まるといえます。


自己肯定感の不足によって、どんなことが起こっているかを簡単に説明します。


自分の成長には自分への投資が欠かせませんが、その件については「20:60:20の法則」があります。
最初の20%は、自己実現に向けて自分に投資している人です。
60%は投資の必要を感じながら実際にはしていない人です。
残りの20%は自分に投資することを考えない人です。


私たちの社会で競争に参加しているのは、最初の20%の人です。
学校を例にとれば、この人たちは授業中に勉強している人といえます。
後の80%の人は教室にはいるものの授業に参加していません。
80%のうち60%は授業中に教室の窓から外を見ている人たちです。
20%は眠っている人です。


先に、目標を達成するには、必ず通過するステップがあると紹介しました。
最初、特に意識していない人が動機づけによってステップアップしていくプロセスを説明したものです。
しかし、そのプロセスは万能の神ではないので、誰でも思うようにステップアップしていかない現実があります。
自分自身や周囲の人の努力によって、やる気を出して目標達成に向かう人がいる一方、いくら周囲の人が手を差し伸べても変わらない人もいます。


その前提に、わたしたちには、日常的に基本ベースが5種類のひとがいるわけです。

 ステップ1.「なにも考えていない」レベルで暮らしている人
 ステップ2.「どうしょうかな」のレベルで暮らしている人
 ステップ3.「達成したい」のレベルで暮らしている人 
 ステップ4.「達成するぞ」のレベルで暮らしている人
 ステップ5.「達成できそうだ(次、いくぞ)」のレベルで暮らしている人


この5種類は先にあげた20:60:20の法則にもあてはまります。

ステップ5〜4のレベルの人が全体の20%、自分に投資、つまりチャレンジする人です。
ステップ3〜2のレベルの人が全体の60%。投資の必要を感じながら実際にはしていない人です。チャレンジの必要を感じながら実際にはしていない人です。
残りの20%はステップ1. 「なにも考えていない」レベルで暮らしている人たち。
つまり自分に投資することを考えない人です。


人種が違う点では国籍以上の違いがありますが、一方では肌や言語の違いはあっても世界共通の人種ともいえます。
「達成するぞ」のレベルで暮らす人には同じレベルのひとが集まってきます。
しかし、なによりの特徴は、この人種はいつでも自分で変化可能である点です。
よく言われる格差があるなら、本当の格差の比較はこのレベルの違いではないでしょうか?


さて、この違いがどうして生じているのか、そこに重要な問題が潜んでいます。
自分に投資、つまりチャレンジする人は全体の20%です。
つまり80%のひとは自分への投資(チャレンジ)に値する価値を感じていない。
自尊感情(自己肯定感)が低いひとたちなのです。



80%のうち、もっとも多い60%は実は投資(チャレンジ)を望んでいながらも、実際には投資(チャレンジ)をしていません。
しかし、本当は投資(チャレンジ)に見合うモチベーションを高めたいと思いながら、高められない、あるいは続かないままに、曖昧に過ごしている人です。
どちらの20%にも変わる可能性を秘めた人です。


建設的な上司なら、同じ屋根の下で一緒に働く以上、意欲的な上位の20%に参加させてあげたいと願うでしょう。


先に触れたように、自己肯定感を確かなものにする方法として世界保健機構(WHO)が提唱するライフスキルの活用が有効です。

ライフスキル教育は、先進国などで社会問題化している青少年の薬物乱用、飲酒喫煙、無防備な性行為、学校中退、退学などの危機的状況を未然に防ぐ方法として、発達段階に応じたライフスキルを身につけさせるべきだと世界保健機構(WHO)が、1993年にライフスキル教育プログラムを公表、紹介したのが始まりです。
日常の様々な問題や要求に対して、より建設的かつ効果的に対処するために必要不可欠な能力と定義づけました。


ライフスキルは、性格を変えようとするものではありません。
生活も仕事も選択の連続です。
ライフスキルは、よりよく生きるために「なにを、どうするのか」という選択の場面で役に立つもので、生活する上で欠かせない技術なのです。
ライフスキルが備わっていると、自尊心を高め、よろこびを深めますので、自尊心の代替となるものを求めることが少なくなります。
その分、集中力を高まるので、仕事でも学業でも、求める結果が得やすくなります。
その結果を受けて、よりライフスキルが高まるという好循環が続きます。


ライフスキルが磨かれると「自分にはやれそうだ」という自信は自分を元気づけ溌剌とさせ、やる気を起こさせます。
逆に「自分にはやれそうにない」不安は自分から活力を奪い、意欲を失い、選択を誤ります。


かつては、生活の知恵やコツとして、親から子へしつけというかたちを通して、地域社会や子供社会で、また年長から年少者へ世代の違った集団による遊びの中で、無意識的・体験的に伝えられていたものです。
しかし、少子化、地域社会の変質、情報化が進むなかで、世代間の乖離が進み、人間関係が希薄になり、スキルを学ぶ機会が極度に減少する傾向にあります。
また、スキルを身につける上で適切な環境でない場合も、スキルを学ぶ機会が失われます。
人が幸福、安全、快適に暮らすために、いまもっとも必要とされているものは携帯電話でも、液晶テレビでもない、 ライフスキルだと信じています。
生きる意欲は人生を活気あるものにします。



「普通に生きて行きたい」「食えたらいい」「人並みに」こんな言葉をよく耳にします。
これらの言葉の背景には、「自分には自分の思うようにできそうにない」という、自分をあきらめざるを得ない切なさが漂っています。


つまりライフスキルの未熟から、自己肯定感が弱いために自己不信になっているのです。
しかしほとんどの人(60%の人)は、心のどこかで自分への信頼感を高めたいと思っています。

現在「格差社会」の問題の中心になっているフリーターの不安は、お金のこともありますが、仕事を通じて「ライフスキル」が磨かれないために、将来に希望を見いだせないことがあります。
さらに言うと、ダメなら変えればいいとする職場では「ライフスキル」が要求されない悲痛があります。

ライフスキルが要求されないとは、人間的価値を関心を持たないことに通じます。
自分に投資することを考えない20%の人は別にして、残りの80%の人はライフスキルが磨かれない環境に身をおいていると、自分に価値がないように感じるために、生きる喜びを感じ取れず、意欲が低下します
ライフスキルは人間的価値そのものであり、よろこびだからです。
ですから、従業員を育てたい、育ってほしいという思いが強い会社で働いている方は幸福です。



それでは、ライフスキルがモチベーションの要因とどのように関係しているかご説明します。


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