メリットとデメリット

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン
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第2章 目標達成6つのステップ

【6】メリットとデメリット
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たとえば禁煙は簡単か、難しいか、どう考えますか?
苦労して禁煙に成功した人もいれば、禁煙できずに苦労している人もいます。
簡単にやめた人もいます。
禁煙したい欲求は同じでも、プロセスや結果に違いが生じているのは、どうしてでしょうか?

欲求にはレベルがあって、願望、欲望、必要。それぞれに違いがあります。
・願望は空想に近いものです。
・欲望は願望がより現実的になったものです。
・必要は欲望がより切迫したもので実質的なものです。

必要を強く感じると、欲求の強さから目的や目標を達成する可能性は高くなります。
ですから実行力は欲求の強さに比例し、達成力や成果は実行力に比例します。

ところが現実にはとんでもないことが起こります。
たとえば危機に陥った会社は、その必要から全員ががんばると思いがちです。
しかし実際には叱咤激励しても実行力は乏しいままの場面が見られます。
従業員も自分の生活があるので、がんばる必要性は知っています。
しかし、どんなに危機と必要性を訴えても実行力は乏しいまま。
行動に変化は起こりません。
成果主義を導入したけど、さっぱり変わらないというのもよく似た事例です。
なぜ適切な行動は起こらないのでしょうか?

意志と欲求の間に想像が絡んでいるからです。
 
想像は欲求の強さにも、意志の強さにも比例しません。
想像が欲求も意志も支配するからです。

禁煙の難易度が人によって違うのも、欲求や意志の違いだけでなく想像が影響しています。

意志も想像も脳で考えたことですが、相反する意志と想像が激突したら、間違いなく想像が勝ちます。
意志と想像が同じ場合には、意志は目標達成に集中できるので、自己実現が容易になります。
つまり意志にふさわしい想像が起これば意欲は高まり必要を強く感じることができます。

想像には良い想像(ポジティブな想像)、悪い想像(ネガティブな想像)があります。
想像は現実ではありませんが、過去の体験に影響を受けていて、感情に働きかけます。
感情の処理の仕方で、想像の選択が変わります。
感情処理の上手なひとは、悪い想像を選びません。
さらに自己認識ができていて、目標設定が上手な人は不安をエネルギーに変えます。
不安を準備力に変えます。それはポジティブな傾向の人です。
ネガティブな傾向の人は、悪い想像を選びます。目標設定も曖昧で準備も怠ります。
エネルギーを不安に変えてしまいます。

習慣的にネガティブな想像をしていると、良い考えも出なくなります。
良い考えがでないと良い行動もできません。
どこかで、負の連鎖を断ち切りたいものです。
そのためには、まず意欲がどのようにして高まるのか、あるいは減退するのかについて
知っておきましょう。


▼目標を達成するには、必ず通過するステップがあります。
STEP 1. 目標達成を考える以前の段階(何も考えていない。)
STEP 2. 考えている段階(達成しないといけないかな、あるいは達成できなくても仕方がない)
STEP 3. 準備の段階
STEP 4. 実行の段階
STEP 5. モチベーション維持の段階 (「達成できそうだ」あるいは「達成できた」)
STEP 6. 満足の段階(達成できた!)




STEP 1.の状態は、最初、なにも考えていない状態です。
目標となる情報がインプットされて、はじめて考えだします。

情報には、達成した時のメリットが同時にインプットされないと心は動きません。
同時にデメリットも想像します。
「自分にできるだろうか、骨折り損にならないか」というように反対意見が生じて葛藤が起こります。
この状態はまだSTEP 2.の考えている段階です。まだまだ行動には進みません。

STEP 3の達成したいに進むには、達成したときのメリット、達成するうえでのデメリット、達成したときのデメリットのバランスがとれないと取り組む欲求が高まりません。

たとえば、なにかをどうしても必要だと感じたとします。でもお金がいる。
先に触れたように、欲求には、願望。欲望。必要。3つのレベルがあります。
必要は願望や欲望を満たすよりも、深く大きな喜びを感じることができます。
どうしても必要だと思うと、ローンでも購入します。
手に入れることで得られる大きなメリットがあるから、借金しても買いたいと思います。

通常、会社や店での目標は、この必要に位置するものです。
しかし、必要なことにもかかわらず達成できないのは、先にあげた「想像」の影響を受けたりして、メリットを認識できないからです。
このままの状態でスタートすれば燃料不足で墜落するようなものです。

私たちは他人のことは分っても自分のことは分らないといいます。
他人のことは離れてみるので全体像が見えますが、自分のことは近すぎて全体が見えません。
あることにとらわれるとそれが気になって全体に意識が及ばないのです。
自分のメリットもデメリットも同じで、分っているようでも分りにくいものです。

そこで、あることに取り組むことで得られるメリット、デメリットを書き出して整理します。

1) 現在の状態のまま場合のメリット
2) 現在の状態のまま場合のデメリット(気がかり)
3) 目標達成した場合のメリット
4) 目標達成する場合のデメリット(気がかり)

このようにマトリックスで整理すると分りやすくなります。
リストアップするときは、自分の思い込みにも注意して、客観的に判断するようにしましょう。客観的に自分を知ることが大事なのです。
頭の中で考えるのではなく、必ず文章にしましょう。
考えがあっても、分っていても、文章にすると書けないことがよくあります。
言葉にできない、書けない場合は、本当は考えが整理できていないのです。

特に書くとはっきりしますので、理解が深まります。
誰かに話すときも伝えやすくなります。
誰かに分りやすく話せると「励ましを受ける」ことで大きな力になることもあります。

以上、メリットとデメリットについて上の図のように書きだします。

メリットとデメリットについて書きだせたら、その結果を受けて考えをまとめます。

達成したい気持ちと、いまのままでいたい、2つの相反する考え、感情を書き出して、もう一度、次のように整理します。


■ こうしたほうがいいと思っている 









■ しかし、こんな考えも持っている










こうしてメリットが分かり、それを手に入れたいと思うと、やってみたい気持ちが強くなります。

しかし、達成の可能性が低いと意欲は低下します。
次に可能性を検討します。


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