感情の使い方

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン

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【31】感情の使い方
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人は感情の動物ですが、人が暮らす社会は、人の関係も合理的なものです。
そこで、感情はスパイスにように生活に潤いを与えます。
お好み焼きをソースなしで食べたり、お寿司を醤油なので食べるのは味気ないないですよね。
感情はスパイスです。
しかし、反対にソースの中にお好み焼きを入れたりしません。
醤油のなかにお寿司を浸けたら、お寿司は台無しです。
それと同じで、感情に支配されて感情的な行動をすると、せっかくの関係も破綻します。
正しいコミュニケーションを行うと、感情はさらに潤いとなって、良い関係が構築できます。
人づきあいを深めるようにし、必要であれば周りの人へ援助を求めることをためらわない。
自分の権利を守るために「いや」と言いたい時は率直に伝える。
相手にもそれを許すことをためらわない。
それができなくなるのは、感情がブレーキをかけているのです。
相手から話しかけられるのを待つのではなく自分から会話を始めたり、目標を設定して、達成に努力するなど、積極的に自分を表現する。
一方で周りの人のそれらも大切にしてあげて、受容する態度を尊重してあげる。
それがアサーティブ、積極的自己表現。
それは別の言い方をすると、周りの人に依存しない、限りなく自立することを意味しています。感情の扱い方で自分が自分らしくなれます。
自分らしくなれるとはありのままの率直な自分になる意味です。
すてきだと思いませんか?



自分の気持ちに反した返事をしてしまい、後で自己嫌悪になったり、後悔することも少なくありません。
あるいは、「仲間に入れて」とひとこと言わないばかりに、タイミングがなくグループから外れてつらい思いをしている人なども増えています。
自分の感情や価値観と周りの人の感情や価値観を混同して、自分がこうだから、相手もこうかもと境界を越えた勝手な想像をして、行動をしてしまう見本の一部です。


これには自己肯定感がとても重要な役割を担っています。
自己肯定感は、まず自分と他者との境界が明確であること。
そして自分を尊重するのと同じく、相手、周りの人にも、尊重される権利があること。

この認識が自分にあることが原点です。

自己肯定感が乏しいと、不安から自分への関心が強くなり過ぎ、相手への配慮、気配りができなくなります。
相手への配慮、気配りとは、相手によく思われたいということと混同されますが、そうではありません。
相手を心配することで、自分のことを考えるわけではありません。
相手によく思われたいというのは相手を心配するのではなく、自分を心配している態度です。
 同じく相手によく思われたいために、自分の意見を抑圧することが相手への配慮と思い込んでいる人がいますが、これも心配しているのは自分のことだけですので、良いコミュニケーションを阻害するものでしかありません。


なぜ、自分より相手のことを大事にしたり、尊重するのでしょうか?
そうではありません。
自分より相手のことを大事にしたり、尊重するというのは結果としてそうなるだけで、
事実は、自分のことを忘れてしまうからです。


対人関係で自分を忘れたら相手しか残りません。
だから相手を尊重することになります。
なぜ、自分を忘れるのかというと、相手のことに注目して考えているからです。
なぜ、相手のことに注目するのかというと、自分にとって一番幸福ないい状態だからです。
自己犠牲ではありません。
なぜ、自分にとって一番幸福ないい状態を求めるのかというと、それ以上いいことないからです。

日常生活において自分の言いたいことを適切に表現できず怒りをためこんだり、そのために関係を悪くしたり、引っ込み思案になったりするのは、良いコミュニケーションではありません。
相手に向ける関心以上に、自分に注目してしまうからです。
自分を忘れたら、自分を率直に表現できます。
自分を表現して、気持ちの良い人問関を築くには、アサーティブネス(積極的自己表現)するようにします。
積極的に表現できないのは、自分に注目しているからです。
自己肯定感が乏しいと、仕事、家庭生活、学校生活など、いろいろな場面で、いろんな問題を生じさせます。
なぜ自己肯定感が乏しくなるのかというと自分に完璧を求めすぎるからです。
自分は自分に完璧を求めるほど周りのひとは完璧を求めていないし求めても来ない。
だから自分にそこまで注目することはない。
どんどん自分の存在を忘れたらいい。



▼一例に、こどもがたばこを吸う動機を考えてみましょう。

自分では吸うのはよくない、あるいは嫌いなタバコでも、仲間のすすめに「いやだ」と言えない人は、外的な要求に負けて吸いはじめてしまいます。
万引きの誘いを受けて、いやだなと思いながらも、断りきれずに行動をともにする。
逆に、否定した場合には断った罪悪感や、仲間はずれにされることから、無力感が起こり慢性化してしまうこともあります。

同じように、自分の感情、意見、考えを伝えたり、表現できない人は、自分自身を自分の不快な感情によって、自己否定してしまいます。

すると自己肯定感の不足によって、なにをしても楽しいと思えない、なにをしてもうまくいかない、達成できそうにない不安感によって、自己実現の機会をどんどんなくしてしまいます。

あるいは、攻撃的な形でしか他人と交流できないために、健全な人間関係が作れず、アウトサイダーな暮らし方しかできなくなります。
積極的自己表現をするためにコミュニケーションは、生きていく上であらゆる場面に影響します。
積極的に自己表現をしたことで、拒否され、がっかりしたり、悲しんだり、悔しく思うことがあるかも知れません。
しかし、それで、決して自己を肯定する力が弱まったりすることはありません。
つまりコミュニケーションが悪くなるわけでも、コミュニケーション力を失うわけでもありません。


アサーティブによるコミュニケーションは、子どもでも大人でも、自分が望むことを率直に聴き、気楽に正直な気持ちを表現することを支援します。
したがって、積極的自己表現をすることによって、相手と話し合っているときに、互いに本当に望んでいることが実行できる可能性が高くなります。
その効果によって結果も良好になる可能性が高いだけでなく、うまくいかない場合も積極的自己表現をした満足感があるので、挫折することもほとんどありません。
自分にどんどん期待するのは大賛成ですが、注目しすぎるのは大反対です。
自分がじぶんを応援するときも、その姿勢で。。。



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