セルフ・マネジメントでモチベーションを引き出す

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン

愛ピDIRECT「ライフスキルで本当の自分を動かす」は、「ライフスキル」を、より積極的にじぶん力と使いこなして、モチベーションを高めて、自己実現する方法をレポートしています。
ライフスキルは、生きる力であり、技術です。いくらでも後から補えるのがライフスキルの特長です。
知能指数が社会的な成功に比例しないのと比べ、ライフスキルは成功に繋がる点に注目しています。その成果をビジネスの現場で実証していますが、社会的不安要因が増大する一方のいま、生きる上でなにが大事なのか警鐘を鳴らしています。

ライフスキルで自分を動かす」は、ライフスキルの不足を補いバランスを調整するために、体験プログラム「マイプロジェクト」もご利用ください。

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【68】セルフ・マネジメントでモチベーションを引き出す 
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ライフスキルという抽象的な言葉からは想像できないかも知れませんが、仮に優れたコミュニケーション能力を持っていたとしても、感情をコントロールできないとコミュニケーション能力を発揮することはあり得ません。自分の内にある苦痛、衝動、興奮などが邪魔をしてしまうからです。
自分の主張を相手にアプローチして通過させるには、相手の知性と感情への働きかけが必要です。自分の感情が安定していれば、ダイナミックな活動が可能になりますが、自分の感情が不安定なら、対象に目を向けるより自分の感情への注目の負担が増大して脳で考えたような活動は不可能になります。自分の知性が使えなくなります。

コミュニケーション能力とは対人能力ですが、自分とのコミュニケーション能力も含んでいます。つまり他者に対して感情的になるように、自分にも感情的になることから、自分に対しても知性が使えなくなることを意味しています。
すなわちセルフマネジメントの一番の課題は、この点にあります。

ライフスキルを遺憾なく発揮するには、ライフスキルのなかでも一番問題になるのがストレスマネジメントスキル、そのストレスマネジメントスキルを発揮させるためには、自己認識スキルによる感情の認識がはじまりになります。
この2つのライフスキルが機能することで他のライフスキルが発揮できるようになります。集約した5つのライフスキル(実際は10のライフスキル)は自己認識スキル、ストレスマネジメントスキルを機能させることで、
目標設定スキル、意志決定スキル、
コミュニケーションスキルを機能の実現が容易になるといえます。

「あれだけやる気になっていたのに」と、いつの間にかi意識も気持ちも変わってしまった経験をしたことはありませんか?
三日坊主に代表されるように、モチベーションが下がっていたり、その痕跡すらない場合も少なくありません。しかも、それが自分にとって重要なことにもかかわらずにもです。


私たちは、基礎的な知識は一通り持っているものです。
親は親なりに教えたつもりですし、学校でも先生は教えたつもりです。会社は会社で教えたつもりです。でも知っているはずの行動ができないのは、どうしてでしょうか?
それも難しいことではなく、簡単なことができないのはどうしてでしょうか?
しかも、それをしないことが誰の役にも立たないことだと、こどもでも判るようなことを、こどもを持つ大人ができないのはどうしてでしょうか?



次の設問について、はい、いいえでチェックしてみてください。

1.目標達成に向かうよりリラックスする必要を感じますか?
2.疲労、ストレスを感じてなにもしたくないと思うときがありますか?
3.人にして欲しいことがある場合はすぐにして欲しいと思いますか?
4.緊張、疲労、不安を感じるとアルコールを飲んだり食べたくなったりしますか?
5.イライラするとモノや自分を乱暴に扱うことがありますか?



上の表の答に、「はい」がいくらありましたか?
「はい」が多いほど、自分が感情に呑込まれてしまうことを意味します。


これらはどれも感情的な行動です。
思うようにいかない状況に出くわすと、不安にもなるし、イライラもします。
それは自然なことなので、抑圧する必要はありません。
 可能性の否定、達成できそうにないという不安、満足感が得られない不安などネガティブな感情が、自分も知らない隠された動機にマイナスのストロークで働きかけても、行動に発展する以前に一時的な感情として処理してしまえば、それまでのことです。
 
 ところが処理を間違うと、寂しい、つらい、面白くない等、場違いな感情を呼び込びます。
適切でない感情によって、感情的な行動を呼び込んでしまうと、心のコンディションはバランスを崩します。
内なる不快感の連鎖が、意志を打ち砕き、なんでもないことさえ億劫になったりして、行動の邪魔をします。

感情が意思の邪魔をすると、時間の使い方に支障がでます。
支障は停滞を呼び込み、非力感へ誘導します。
すると「したいこと」が「しなければならないこと」に変化していきます。

 したいことと、しなければならないことの間には、随分と隔たりがあります。
思いがけない距離のズレは感情によって始まり、感情的な行動によって固定してしまいます。

感情的な行動は好ましくないけれど、感情は素晴らしいものです。
昔から人々の心をとらえてきた歌、映画、小説などは、ほとんど感情に訴えるものです。
人々を奮い立たせることもあれば、癒してくれることもあります。
もし感情がなければ、喜びも悲しみもなく、殺伐としたものになるでしょう。
それにしても感情には、好ましい感情もあれば、人を痛めつける感情もあります。
人間を蝕み、目的の達成を阻むのも感情である場合が多いのです。

今日は「集中するぞ!」と思っても、急に予定を変更してしまうことはありませんか?
自分のやりたいことがあっても、緊張やストレスがあるとネガティブな感情が働きだしやすくなります。
エネルギーバランスが崩れると、無意識に緊張を和らげるようと、意志とは無関係にエネルギー不足を調整します。
 ストレスの根源に近い作業の邪魔をすることで緊張を和らげているのです。
 自分のことは分りにくいものですが、周りのひとを観ていると、なぜ、こんな簡単なことができないのかと不思議に思うことも少なくありません。
感情が揺れ動いて、エネルギー不足を引き起こした結果、ストップやスローダウンによってバランスをとっているからです。
ストレスが発生したときに、周りの人からの依頼や誘いがあると、中断するのに自分への言い訳ができて好都合です。気分転換が多いと、集中力は分散してしまい、極端な効率ダウンを引き起こします。
 大きなインターバルで観ると、コツコツと努力して部下を持った途端、うつ病になったり、無気力になったりして、後退してしまうのも同じです。

人生の大事な場面で、努力を台無しにしてしまうように、気がつかないようなささいな場面においてもボディブローのようにダメージはあるので、こういうことを繰り返していると、先のページで触れたように<境界>が曖昧になります。
もともと感情の処理がまずいために起こっていることなので、境界に問題が起こると人間関係でダメージを受けたり与えたりしてしまいます。
 ストレスへの耐久力が弱い人ほどネガティブな発言、行動が多いものです。
自分では気がつかないうちに、周囲の人にイヤな感情を送り込んでしまいます。
意欲的なひとほど、嫌気がさし近寄ろうとしなくなります。
逆にネガティブなひとばかりが集まってくることになり、自分のネガティブさに鈍感になっていきます。
緊張やストレスに耐える力は人によって違いますが、ユーモアに乏しい国民性も災いして、日本人全般にネガティブな傾向が強いようなので、気をつける上に気をつけるようにしたいものです。

時間管理の本や手帳などがたくさん出版されているのは、時間管理が思うようにできない最大の理由は、感情を「しなければならない」という理屈でコントロールしょうとすることに無理があるからです。
時間管理やマインドマップなど、多数のノウハウ本が出回っていますが、必要な不可欠なことなので、アドバイスとして参考になっても、自然に自分に適した形でできるようになるものです。
時間管理術をいくら学んでも実行できないのは知識不足というより、感情のコントロールができないために自分との約束が守れないのが問題なのです。


感情には感情で対処するのが自然です。
自分に好ましくない感情が起これば、好ましい感情で対処するのが効果的です。
好ましい感情とは、楽しい、うれしい、おもしろいなどです。
悲しいときに、怒っているときに、不安なときに、そんな感情を持たせるのは至難の技です。
それでも、それがどれほど自分に悪影響を与えるのか知っていれば、たとえば、したいことがしなければいけないことに変わってしまう境界の乱れを自分が作ってしまうことの惨めさを知っていたら、感情の流出は防げなかったにしても感情の洪水は防げます。

さらに、夢があれば、好ましくない感情はとるに足らないこととして、小さく出来ます。
・ ・・・「どうせ私なんかに」・・・自分の価値を引き下げ、夢を砕くのは自分。
叶うか叶わないは別にして、夢を見たり、追うことはよくないことではない。
夢の実現に重きをおくのではなく、夢を追うプロセスにこそ自分が存在すると考えるのは悪いことではありません。
心のコンディションをどのように整えるか、人それぞれのやり方があると思いますが、自分のやり方を見つけておくと有効です。

誰でも、その時々でコンディションが変化します。一流といわれる方も同じです。
彼らが一流に昇りつめ、維持している裏には、常にベストコンディションを保つように工夫があるからです。
たとえば高額の報酬を受け取るイチロー選手の昼ごはんは毎日カレーライス、遠征先では同じピザ。心と身体のベスト・コンディションを保つための配慮といえます。

求める結果を出すことを最優先にした暮らしの知恵は、自分を律することから始まっていることが発見できます。
感情を感情で対処するレベルではなく、さらに踏み込んで知識を感情レベルに落とし込んでいます。
自分の「やり遂げたい」気持ちがどこかに行ってしまわないように、注意深く監視して過ごすから、やり遂げるよろこびをつかまえることができると言えます。
目標達成のよろこびの正体は、自分が自分を律し抜いたよろこび、そのものなのです。
感情は人間をもっとも人間らしいものにするものであっても、もっとも人間を苦しめるものでもあります。
自分が備えているライフスキルを感情的な行動によって台無しにしないようにしたいものです。



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