こじれる人間関係 事例 2
じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン
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【42】こじれる人間関係 事例 2
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こじれる関係は、背景に目的があります。
当事者たちは無意識ですが、予め目的になった結果に向かってコミュニケーションが展開します。
今回は、前回に続き「こじれる人間関係」 事例 2をお話します。
▼ 事例「わたしをつかまえて」
目的 捕まって自分はダメな奴の構えを確認、自己否定をより強くする
仕掛け 規則違反、ルール無視、盗み、暴走、浮気など
捕まえられるためになにか手がかりを残す
参加者(カモ) 管理者、教師、警官、親、配偶者など
平行的交流 相手(こども、配偶者、従業員など)の言いなりになっている間
交叉的交流 犯罪の発覚、犯罪者の怒り、感情の行動化、自己認識の動き
混乱 なぜ、わざわざ捕まるようなことをするのか?(説明がつかない)
結末 無念(自己肯定の失敗)、
安堵感(自己処罰による罪悪感からの解放)
この事例は、件数的に非常に多く、特に10代の若者に多発します。
親離れなどの問題を抱え自己認識の欲求が高くなり、万引き、窃盗などこの種の犯罪は後を絶ちません。
わたしの経験ですが、自分の自転車が盗難に被害にあったことがあります。
その自転車を、ある日近所の軒先で発見しました。いつも同じ位置にあるなら、誰かが放置した可能性もあると思い、様子を観察することにしました。
次の日、見に行くと家の違う場所に置かれていて、利用していることが明白です。
そこで警察に連絡して、警察から引き取りに行ってもらったところ、犯人はこの家に住む高校生で、過去に何度も同じようなことをしているらしい。
この少年が家族に対して「自分を罰してくれ」と沈黙のアプローチをしていると判断して、私は罪にしないように依頼しました。
心の奥深いところで少年は親の期待に応えられる存在ではないという切実な思いが自分を責めているのです。
人生の大事なので、適切な対応が家族に問われるケースです。
はやく対処してあげるといい方向へ変化を起こせますが、家族が見てみないふりを続ける限り悪化します。
このような問題は、若年層だけに限らずとても多く、ビジネスの現場でも多く発見できます。一般に知識がないので、
間違った対応をしてしまい、さらにこじれる場合が少なくありません。
当事者がもともと罪の意識に苛まれていて、自分を再認識する、つまり価値観の最構築のために起こしていることです。
自分はダメ人間のラベルを自分ではる「決めつけ」による安心を求めて自己否定を目的にしたストーリーが展開します。
周囲のひとはストーリーの重要人物として、まんまと参加してしまいます被害を受ける役割と処罰する役割を担います。
処罰欲求に支配された行動は、マスコミの報道にも数多く発見できます。また身の周りにも多発しています。
会社内で起こる事件やトラブルにも多く発見できます。
現金を扱う職場では処罰欲求から現金が消えるという事件は後を立ちません。
わたしは、数多く事件解決をしてきましたが、それができるのも、この仕組みを理解していて、本人が発信している「わたしをつかまえて」のヒントを発見するからです。
しかし事件を解決するよりも、未然に防ぐことが大切です。
処罰欲求に支配された行動への対処は、心理療養士のようなプロフェッショナルにとっても非常な困難を強いられます。
治療するほど悪くなることも多いものです。
自己認識、つまりより確かな自分を獲得したいがための行動の反面、
自己否定感が強いため、処罰されることを求めてしまうのです。
処罰されることで安堵感を獲得しています。
わざわざ手がかりとなる証拠を残しているのは、処罰されることで罪の意識から解放されるメカニズムが働いているからです。
このストーリーの参加者として名をつらねるひとをカモというのは、心理的、物質的に搾取される役割を演じてしまうからです。
もちろん本人は意識していませんが、主役の目的と相性が合うのです。
相性が合わない人は、参加機会があっても参加意欲がないので、参加することがありません。
ギャンブルに参加して勝つことは稀です。勝ったにしても儲けたお金で事業を始めて成功したという話も聞きません。
どっちにしてもワリの合わないことなので、理性的なひとなら参加意欲が湧きません。
つまり熱心にギャンブルに励んでいるひとは自己処罰が目的と考えられることもできます。
この仕組みを知っていると、さまざまなトラブルに対応できるようになります。
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